これがプア・ホワイトですか
こんにちは
昨日「タバコ・ロード」を読み終えました。
1930年に発行された本作は第一次世界大戦ごろのアメリカ南部の農民を描いた作品です。
ざっくりとあらすじを説明すると、ひいお爺さんの代から受け継いできた広大な綿畑で農家をやっているレスター家。
ここ数年は作物がろくに育たず、たくさんいた子供たちもどんどん工場へ働きにいったり嫁にいったりと残っているのは2・3人のみ。
田舎の土地にしがみついて畑を耕すと口にこそすれ、いざその折になるともっと他にやるべきことが頭に浮かんで結局畑を耕すことはしない。
お金を作るために薪を売りに行くでもなく、家を出て行った子供達が仕送りをくれないかと考えてばかり。
そのうえこうなったのは神様の思し召しと思い込んでいる始末。
字も書けなければ都会のことなんて何にも知らない。
工場で働くのはいやだと言う。
そんな感じの厚顔無恥を絵に描いたような人間が父のジーターです。
怠惰で無知でそれでいて何も行動をすることはない。
共感できるところも少なからずあって、自分もこんな状況になってはいないか心配になりました。
このような重めのテーマを描いてはいますが、彼らの無知さゆえかジメジメとした雰囲気はなくあっけらかんとしています。
物語の結末も結構えぐいものなんですが、生々しさはなくむしろ喜劇的に描かれています。
結構昔の小説なので言い回しが古かったり知らない言葉もでてきますが、後半はガッと読み進めることができました。
みなさんもぜひ読んでみてください。